チャイルドシートの着用が法律で義務付けられていない6歳以上の子供であっても、体格によってはシートベルトが十分な効果を発揮できない場合があります。
2024年9月13日、JAFはチャイルドシートの使用目安を身長150cm未満に引き上げることを決定しました。
この記事ではチャイルドシートの使用目安引き上げの背景やチャイルドシートの重要性について解説いたします。ぜひ最後までご覧ください。
相次ぐ子供の死亡事故
近年日本ではチャイルドシートを使用していない子供の死亡事故が相次いで発生しています。
2024年8月には福岡で軽乗用車と路線バスが正面衝突する事故があり、軽乗用車の後部座席に乗っていた5歳と7歳の姉妹が死亡しました。
当時姉妹はシートベルトを着用していたもののチャイルドシートやジュニアシートは使用しておらず、シートベルトによって腹部が強く圧迫されたことで死亡したものとみられます。
道路交通法では6歳未満の子供を車に乗せる際にチャイルドシートの使用が義務付けられています。また6歳以上であっても体格によってシートベルトを適切に着用出来ない場合はチャイルドシートの使用が推奨されます。
JAFはこれまでチャイルドシートの使用推奨基準を身長140cm未満としていましたが、さらなる安全性確保の観点から使用目安を150cm未満へと引き上げることを決定しました。
なお大人の場合は身長が150cm未満であっても体格や骨格がしっかりしていること、また自身で座席の高さやシートベルトの位置を調整できることからチャイルドシートを使用する必要はないとのことです。
チャイルドシートの使用状況
警察庁とJAFは毎年合同でチャイルドシート使用状況の全国調査を行っており、2024年の調査ではチャイルドシートの使用率は平均で78.2%と過去最高を記録しました。
チャイルドシートの使用率は年々増加傾向にありますが、年齢層別の調査では1歳未満が91.7%、1歳から4歳が80.7%であるのに対し5歳は57.9%と他の年齢層に比べ使用率が極端に低くなっています。
チャイルドシートを適切に使用していた場合、自動車乗車中の致死率は0.09%であるのに対し、チャイルドシートを使用していなかった場合の致死率は0.36%と約4倍にもなります。
また車のシートベルトは大人が使用することを前提に設計されているため、子供がチャイルドシートを使用せずシートベルトを装着した場合、衝突時に体を適切に保護できず首や内臓を損傷する恐れがあります。
お子様の命を守るためにも、シートベルトを正しく装着できるようになるまではチャイルドシートの使用をオススメいたします。
チャイルドシート使用時はミスユースに注意
チャイルドシートを使用していても座席への取り付けや乗せ方が不適切であると、事故時の衝撃を軽減しお子様を保護するチャイルドシート本来の機能を十分に発揮できません。
2024年に行われた取り付け状況調査ではチャイルドシートを誤って取り付けていた「ミスユース」が全体の30.2%を占めました。取り付け時のミスユースで最も多かったのは乳児用・幼児用ともに「腰ベルトの締め付け不足」でした。
また同時に実施された着座状況調査では全体の44.3%にミスユースが見られました。乳児用・幼児用シートでは「ハーネスの締め付け不適正」が最も多く、学童用シートでは「体格不適合」が全体の3割を占めました。
チャイルドシートの取付方法は製品によって異なるため、取扱説明書をよく読み適切に取り付けましょう。
まとめ
今回はチャイルドシートの使用目安引き上げの背景やチャイルドシートの重要性について解説いたしました。
本記事のまとめは以下の通りです。
この記事が皆様のお役に立てば幸いです。