2016年10月、国土交通省は保安基準を改正し新車を対象にオートライト機能の搭載を義務付けました。
この記事ではオートライトが義務化された背景や消すことが出来ない理由など、オートライトに関する気になる疑問を詳しく解説いたします。ぜひ最後までご覧ください。
オートライトはいつから義務化されたの?
日本では2020年4月より新型車に対してオートライト機能の搭載が義務化されています。
継続生産車においても2021年10月より義務化の対象となりました。
このため現在国内で販売されている新車にはオートライト機能が標準装備されています。
以前はオートライトが点灯するタイミングはメーカーや車種ごとに異なっていましたが、オートライトの義務化に伴い点灯・消灯のタイミングにも基準が設けられました。
現在の保安基準では周囲の明るさが1000ルクス未満になった際に点灯、7000ルクスを超えた場合に消灯するよう定められています。
点灯の基準である1000ルクスは晴天時の日没15分程前、信号や他車のブレーキランプが目立ち始めるころの明るさです。
この時間帯はまだ明るいと感じるかもしれませんが、早めにライトを点灯することで自車の位置を他のドライバーや歩行者に知らせることが出来ます。
オートライト機能が搭載されていない車でも、信号や他車の明かりが目立ち始めたタイミングでライトを点けることをオススメいたします。
オートライト義務化の背景
オートライトの搭載が義務化された理由として、一日の中で夕暮れ時が最も死亡事故の起こりやすい時間帯であることが挙げられます。
2019年から2023年までの5年間における時間帯別の死亡事故の発生件数を見ると、日の入り時刻と重なる17時台から19時台にかけて死亡事故が多く発生していることが分かります。
また死亡事故を当事者別に見ると、日没の時間帯は「自動車対歩行者」による事故が多くの割合を占めています。
日没の時間帯は辺りが徐々に暗くなるため、ライトを点けないまま走行するとドライバーも歩行者も互いの存在に気付くのが遅れ重大事故につながる可能性が高まります。
道路交通法ではヘッドライトを点ける時間帯について「日没から日の出までの夜間」と定められています。
しかしJAFが2014年に行った全国調査では日没時のヘッドライト点灯率は22.8%にとどまり、日没から10分が経過するとヘッドライトを点灯する車が急増することが分かりました。
日没時はまだ空が明るいことからライトを点けずに走行するドライバーが多いようです。
こうした状況を踏まえ国土交通省は2016年10月に保安基準を改正しオートライト機能の搭載義務化へと踏み切りました。
オートライトが消せないのはなぜ?
2020年4月以前に販売された車に搭載されているオートライトはドライバーが任意でON/OFFを切り替えることができました。
しかしオートライトの義務化に伴い保安基準が改正され、走行中はライトをOFFにすることが出来なくなりました。
国土交通省「道路運送車両の保安基準等の一部を改正する省令等について」では次のように規定されています。
すれ違い用前照灯(ロービーム)について、以下の要件に従って、周囲の明るさ(照度)に応じ、自動的に点灯及び消灯する機能を有さなければならないこととします。また、このうち、自動点灯に係る機能については、手動による解除ができないものでなければならないこととします。
このためオートライトの義務化以降に販売された新車ではオートライトのON/OFFを切り替えることが出来ません。
停車中にオートライトを消す方法
オートライトの義務化以降に販売された車であっても、停車中であればライトを一時的に消すことが出来ます。
一般的な車の場合シフトポジションを「P」にする、もしくはパーキングブレーキをかけた状態でライトスイッチを「OFF」に合わせると消灯します。
消灯の操作はメーカーや車種によって異なるため、詳しくは車の取扱説明書をご確認ください。
昼間もオートライトが消えない時は
オートライトはセンサーを用いて周囲の明るさを検知しています。
そのためセンサーが物で覆われていると「周囲が暗い」と判断し自動でライトが点灯してしまいます。
一般的な車の場合、オートライトの感知センサーはダッシュボード上面に設置されています。
朝になってもオートライトが消えない場合、まずはダッシュボードの上にあるティッシュ箱やぬいぐるみなどでセンサーが覆われていないかご確認ください。
センサーを覆う物がなく周囲も明るい場合はオートライトが故障している恐れがあるため、お近くのディーラーや修理工場までご連絡ください。
まとめ
今回はオートライトについて解説いたしました。
本記事のまとめは以下の通りです。
この記事が皆様のお役に立てば幸いです。